我が家は年式のかなり古いプリウスを使っているのですが、この間、日本ではなかなか体験しないであろうことを経験しました。なんと、車の「触媒コンバーター(catalytic converter)」とマフラー(muffler)をまるまる盗難されてしまいました。
気づいたきっかけ
主人と買い物に出かけるため、車にエンジンをかけ、しばらくすると突然暴走族のようなブォーン!!というエンジン音が響きました。びっくりしたものの、目の前を通った車がマフラー改造した車だったのかなくらいにしか思いませんでした。まさかその爆音がうちの車からしたとは・・・。
行き先をgoogleマップに設定し、いざ出発!というときになって初めて、その爆音が我々の車と一緒にずっとついて回ることに気がつき、慌てて車を止めると、見事にその爆音が止まりました。笑
こんなことは主人も私も初めてだったので、車が爆発するんじゃないかとか、古いからついにガタが来たのかとか思い、急いでディーラーさんに連絡すると、「おそらくマフラーが盗難にあったんじゃないか」と即答。
盗難なんてアイディアちっとも思い浮かばなかったのですが、エンジンの爆音とマフラーの盗難が結びついて納得しました。
(実際のターゲットは catalytic converterという部品らしいのですが、マフラーと同じところにあるのか、マフラーごと持っていかれたみたいです)
ちなみに、この部品の盗難が原因でエンジン音が異常な場合は、運転する分には安全性などに問題はないようです。ただただ、ディーラーさんのとこに持っていくまでの30分間、暴走族のようにブンブン吹かさないといけなかったのがものすごく恥ずかしかった・・・笑 パトカーの車の前を通らなければならなかったときが一番緊張の瞬間、ブレーキを離して、静かに通りました。笑
マフラーのありがたみに気づかされた、とても貴重な体験でした。
修理費用
車両保険に入っていたのが不幸中の幸いで、部品を再度取り付けてもらう費用約$3,500のうち我々の出費は$500で済んだのですが、整備士さんのおすすめで部品の再盗難防止用にプロテクターをつけてもらうために$400、合計$900の出費となりました。
毎月、収入と支出がどっこいどっこいな生活をしているので、この予定外の大出費はかなりの痛手。泥棒さん、勘弁して・・・。
ちなみに、AAA(トリプルA)というアメリカの保険会社は、保険適用範囲外ではあったけどプロテクターの費用もカバーしてくれたという事例があるそうなのですが、我が家でお世話になっている東京海上はポリシー上カバーできないとのこと。次はアメリカの保険会社さんにお願いしようかな・・・?
さらにちなみに、整備士さんの話だと、こういう盗難のプロはどこでどの車の部品を盗ったのかを記録しているらしく、修理が終わった頃を見計らってまたやってくるらしい・・・!なので、何かしら対策しておかないとまたすぐに持っていかれてしまうかもしれません。
Catalytic converterが狙われる理由
コロナが始まってからこの「catalytic conerter」という部品を盗難される事件(?)がアメリカでは急増したらしいです。詳しいことはわからないのですが、なんでも、この部品にはレアアース(特にプラチナ)が含まれているらしく、それを数百ドルで転売するのが目的なんだとか。
プリウスのようなハイブリットカーには、この部品に通常の2倍だか何倍だか、少し多めにこの金属が使われているためにターゲットにされやすいとのこと。
盗難の時間帯は夜間が多いのかと思いきや、日中でも普通に起きているらしく、なんならスーパーで20〜30分買い物をしていただけなのに盗られた、という人もいるみたい。プロは、10分もあればこの部品の盗難作業ができるらしい・・・
アメリカ人にこの盗難の話をすると、"Unfortunately, that's common here.." と。車のセキュリティーをしっかりしようと気が引き締まりました。
盗難防止対策
下記が教えてもらった対策の例。
- 人に反応するライト&カメラの設置(スマホでカメラの映像が確認できるもの)
- 外部の人が出入りできないガレージへの駐車
- 振動に反応して鳴るアラームの設置
- 部品へのプロテクターの装着
- etc.
上記のうち、とりあえず振動を感知すると鳴るアラームとプロテクターを実行しています。
盗難に遭うのは上記の部品だけではないとは思うのですが、この部品を取るにはジャッキアップする必要があるようなので、とりあえずびっくりさせてその作業をやめてもらうために。
プロテクターは、整備士さんがマフラーらへんの部品にワイヤーをぐるぐる巻きにしてくれていて、これがあるだけで盗難作業がかなり難航するそう。時間がかなりかかるので、泥棒さんも諦めてくれる可能性があるらしい。実際に1件、ワイヤーが途中まで切られたけど部品自体は無事だった、という例があるそう。
Police Reportの提出
最後に、police report(被害届のようなもの?)を提出するべきかどうかについて。
結論、我々はpolice reportを提出して正式に受理されたものの、それを提示する機会はありませんでした。でも、アメリカ人曰く保険の手続きの際に必要になるかもしれないようなので、提出しておいた方が安心かもしれません。
また、車を修理のところに持って行くまでに、車両の異常等で警察に止められることがあるそうなので、そのときには「police reportを提出しました、番号は〇〇〇〇です」のように役立つかもしれません。
提出は、管轄の警察のウェブサイトからできました。盗られた部品がcatalytic converterということをメールで再確認された後、特に直接車の確認に来るわけでもなく、正式にpolice reportをもらうことができました。費用はかかりません。
たくさん貴重な経験はできたけど、やっぱり盗難にはもう遭いたくない・・・もう何も盗られませんように。