12.26.2022

Jビザ2年間帰国義務免除申請方法(米国務省宛書類編)

永住権申請に際しJビザの2年間帰国義務(以下「2年ルール」)を免除してもらう申請が必要になったので、そのことについてのメモになります。 自分は2年ルール適用されているかどうか 同じJビザを持っていても、この「2年ルール」が適用される人とされない人がいます。 おおざっぱに言うと、日本またはアメリカ政府から留学資金を少しでももらった場合、この2年ルールの対象になるようです。その場合、Jビザのプログラムが終わったら自国に2年間戻らないと他のアメリカのビザや永住権などの申請ができません。 Jビザの「Annotation」のセクションに BEARER IS SUBJECT TO 212(E). TWO YEAR RULE DOES APPLY. の記載がある場合、2年ルールが適用されています。 この記載がない場合でも、念のためビザのスポンサー(大学や研究機関など)に本当に2年ルールが適用されていないか確認・相談するのが無難です。 さらに、留学費用・奨学金にアメリカ政府の出資が絡んでいる場合(フルブライト奨学生など)は、この2年ルール免除申請は通らないようです。 主人の場合は最初の1年間だけ日本政府から支援を受けていたので、今はアメリカでフルで雇用されていても2年ルール適用でした。 この場合(そして多くの研究者の方の場合)、「Jビザのプログラムが終わっても自国に帰ってこないことに異論はありません」という日本政府からの書類(No Objection Statement)をもらうことで2年ルール免除申請をすることになります。 2年ルール免除申請のおおまかな流れ 私の理解が正しければ、こんな流れになるはず。そして私たちは現在ステップ4が終わり、アメリカ国務省や移民局の判断や結果送付を待っているところ。 所要時間についてよくウェブで見るのは、2年ルール免除の理由が「NOS」の場合「だいたい申請してから2ヶ月くらい」。ただ、は1年、1年半かかったっていうケースもちらほら見当たるので、どのくらい時間がかかるのかは運なのかも。できれば2ヶ月くらいで結果が欲しいところ。 1〜3のステップについて、もう少し詳しくメモしておきます。少し長くなるので、この記事ではステップ1と2について。 アメリカ国務省への2年ルール免除申請書の作成 まずは https://j1visawaiverrecommendation.state.gov/ の「Complete an Online Application」にて個人情報やビザ、今までのDS2019、2年ルール免除を希望する理由などをぽちぽち入力してきます。この書類はDS-3035と呼ばれているようです。 1回書類の作成を始めると90分間で書類作成を完成させなきゃいけないのと、セーブボタンが見当たらないので、「2年ルールを免除を希望する理由」は予め内容を考えておくといいかも。 その他は、 があれば基本的に大丈夫そう。J-2ビザがいる場合はJ-2ビザ全員の基本情報(名前や生年月日など)も。I-94の情報が手元にない場合は https://i94.cbp.dhs.gov/I94/#/home の「GET MOST RECENT I-94」からパスポート番号で直近のI-94の情報を検索できます。 Basis Selection 申請書の中には「Basis Selection」というセクションがあります。こちらは「なぜ申請者が2年ルール免除の対象になるのか」という理由を選ぶもの。 NOSで申請する場合「No Objection statement from the home government」を選びます。 2年ルール免除を希望する理由 「STATEMENT OF REASON」のセクションでは、2年ルール免除を希望する理由を述べます。 字数制限はありません。いろんな英語サイトによると、かなりシンプルで2〜3文あれば充分らしいです。 例えば仕事のオファーをもらったからという理由だとしたら、 XYZ University has offered me a position as a Research Associate and I would like to take advantage of the opportunity to further my career. みたいな感じ。 主人の場合も上のような感じの理由で2文で提出。 J-2ビザのJ-1ビザとの間柄 J-2ビザがいる場合は名前、生年月日、生まれた国、J-1ビザとの間柄を入力、または選択する箇所がありました。 そのうち、J-1ビザとの間柄について「Spouse」と「Wife」どちらにすれば良いのかわかりませんでした。多分どちらでもいいんだろう・・と思うのですが、とりあえず「Spouse」にして提出。 多分「Wife」でも問題ないと思います。 wife、husbandだと性別を暗示した配偶者扱いになってしまうから、性別関係なく「配偶者」という意味になるspouseの選択肢も出してるのかな・・?最初からspouse一択にしてくれた方がわかりやすいのに・・と思うのは私だけではないはず。。 J-2ビザのSurnameとGiven name 私たちが書類作成した時点では、J-2ビザのSurnameとGiven nameが書類作成のための入力時と、最後の確認画面にでくる時とで逆になっていました。(システムのエラーだと思います) 確認画面には「この確認画面に出てきてる情報が全て正しいことを確認しました」みたいな文言のとこにチェックを入れて次の画面に進めるので、迷ったあげくJ-2ビザ情報の入力画面のとこでSurnameに名前、Given nameに苗字を入れ、確認画面が正しい情報になるようにしました。 つまり、確認画面上にはSurnameに苗字、Given nameに名前が表示されている状態です。 この情報が正しい、というボックスにチェックマークを入れて次の画面にいきました。 するとなんということでしょう!! 最終書類を見ると Surnameに名前、Given nameに苗字が表示されているではないですか!! 修正しようにも「確認画面」に出てくるのは姓名逆になった名前になるから、それを「この表示内容の情報が正しいと確認しました」とチェックしたくなかったので、とりあえず担当部署の連絡先(212ewaiver@state.gov)に上記の状況と訂正依頼を連絡したのと、正しい順番で私の名前が表記されている「確認画面」のコピーを郵送書類に入れて書類を提出しておきました。 多分これで問題なく手続きしてくれると思うのだけど、何か進展があったらまたこちらに追記しておきます。 Jビザで最初に使った空港の名前 「Date and place of …

05.08.2022

【アメリカ永住権】ポスドクJ1ビザからグリーンカードの申請(EB2-NIW, I-140編)

アメリカでの主人の研究留学(Jビザ)が4年目に入り、Jビザで滞在できるのはあと2年になりました。 その後もまだ主人のプロジェクトが続きそうなこと、私も働き始めたことなどが重なり、Jビザの後はグリーンカード(永住権)での滞在を予定しています(願望)。 グリーンカードにはいろいろな方法での申請があるみたいで、その中で私たちはEB2というカテゴリの中の「National Interest Waiver (NIW)」 という、グリーンカードのスポンサーのいらない枠で申請中です。 研究者だとEB2やEB3の枠で出す人が多い印象です。 だいたいは、Jビザ → Hビザ(就労ビザ)→ Hビザのスポンサーありきの EB2 または EB3 、みたいな感じで永住権を申請するみたいです。 私たちの場合は、主人がHビザで私がそのままその配偶者ビザになると私が働けなくなるらしいので(私の理解の範囲では・・間違ってたらすみません)、Hビザはスキップしてグリーンカードを申請しました。 (私も自分でHビザを取る、という選択肢も無いわけではないけど、Hビザのハードルはやたら高くて難しそう。働きたい分野の学位をそもそも持っていないこと、外国の大学を出ていること、その分野の就労経験がないことなどなど、私がHビザを取れる確率は1%くらいに感じています。なので、それより取れる確率の高そうな主人のEB2にしました。ちなみに、Hビザの配偶者は、Hビザ本人がI-140というグリーンカードの最初のステップを申請していると、就労許可を取れるとか何とか。) 2022年7月26日追記: I-140の申請とDS-2019の更新について 現在所属する大学または研究機関、つまりJビザのスポンサーになってくれている機関によっては、この記事で主に触れている「I-140」を出すとDS-2019の更新を受け付けてくれないらしいです。I-140を提出したことを所属機関が把握できる仕組みがあるのかは分からないですが、I-140の申請がDS-2019の更新に何か影響を与えないかどうか、I-140申請前に所属機関に念のために確認した方がいいかもしれません。 NIWとは NIWとはNational Interest Waiversの略で、本来グリーンカード申請に必要な雇用主のスポンサーや仕事が確保されている証明などが特定の条件下で免除してもらえる枠のことです。 「特定の条件」のちゃんとした説明はできないけど、研究者の場合、博士号を持っていてある程度の研究業績があるとNIWの条件を満たせるんじゃないかな思います。自分ではそう思わなくても、腕のある弁護士さんはCVとか経歴からいろいろ拾ってくれるので、まずは弁護士さん探しをするといいと思います。 移民局に提出する書類がものすごく大変なので、たいがいは弁護士さんを雇って書類の作成をお願いすることになると思うのですが、NIWで通るかどうかはその弁護士さんの力次第な気がしています。(大学によってはNIWでもサポートしてくれるかもしれないので、一旦聞いてみるといいかも。) ちなみに私たちをサポートしてくれている弁護士さんたちのホームページにもNIWのことが書かれているのでご参考までに:National Interest Waiver (NIW) — https://www.wegreened.com/niw/ グリーンカードの申請には準備だけでもかなりの時間がかかるので、早めに弁護士さんを探すのがいいかも。 North America Immigration Law Group 私たちはNorth America Immigration Law Groupという弁護士事務所にお世話になることにしました。 ホームページ:https://www.wegreened.com/ この弁護士さんたちを選ぶまでに3つの弁護士事務所に連絡して、一番価格が親切でかつ実績もありそう、評判も良く聞く、この人たちなら任せられそう!と違和感なく思えたこのNorth America Immigration Law Groupを選びました。NIWを申請した日本人研究者の方々の間でもよくお名前を聞く、Victoria Chen弁護士のいる事務所です。 例えば、弁護士費用だけを見ると他の2つは最初のステップ(I-140)だけでも$8,000ほどするところをこの事務所は$3,500〜$5,000ほどでやってくれます。 安いからサポートや書類作成の質が落ちるのかというのは比較できないから答えられないけど、最初の連絡の段階からこの事務所はすごい慣れてる感が伝わってきて、メールもしっかりしていて安心感がありました。 I-140を提出し終わった今、実際のサービスや提出した書類の出来など、私は個人的にすごく良かったと感じました。 Free Evaluationの結果 この弁護士事務所のホームページの Free Evaluation にあるメールアドレスに連絡をして、私たちのケースでEB2に出せそうかどうか、申請にかかる実費や弁護士費用などの見積もりなどをしてもらいました。 メールには EB-2 NIWを考えていること Google scholarのリンク 最新のCV などを添えました。 その結果、EB-2 NIW の "Approval or Refund" というサービスで$3,500でやってもらえることに(現時点では値上がりしているみたいです)。もし申請が通らなかった場合全額返金してくれます。申請がだめだった場合、再申請を1回だけ追加費用なしでやってくれるそう。 (最初から「EB2のNIWを考えている」と言ったのでそのままのカテゴリで返ってきたけど、どのカテゴリか言わなかったらあちらがカテゴリを判断してくれたのかも。) ちなみに当時の主人の状況は、健康科学・生物学分野でのポスドク5年目(日本2年、アメリカ3年目)、Google scholarのcitation数は700弱くらい、査読付き論文数は65本くらいでした。 google scholarのcitationが100以下でもApproval or Refundサービスでやってもらえた、かつ申請が通った、という経験談も聞くので、やっぱり最初の一歩は弁護士さんに連絡して、自分達の状況を簡単にチェックしてもらうことだと思います。(たいがい最初の見積もりは無料でやってくれるはず) また、google scholarのcitationはあくまでもひとつの目安でしかないので、もしcitation数が少なかったとしても、できる弁護士さんだったら他のアピールできる要素を探してくれると思います。 私たちはとりあえずは推薦書無しでI-140を提出したけど、もし移民局に追加書類を求められたら、推薦書などをそのときに用意する予定です。(推薦書の下書きも弁護士費用込み) USCISが高評価するもの グリーンカード申請の最初の関門「I-140」と一緒に提出する "petition letter" は、申請者がどうアメリカに利益をもたらすか、というアピール書なのですが、アメリカの移民局 USCIS がこのletterを審査する際に評価に入れるもの入れないもの、たくさんあるそうです。 そのうち、弁護士さんが言っていたのが以下の2点。 論文のImpact Factor そのエビデンスの一つに査読付きの論文数や論文の内容などが含まれます。 弁護士さん曰く、「Impact Factor が 4 以下の論文はUSCISはあまり評価しない」とのこと。 なので、IFが4以下の論文はエビデンスにならないということで何本か弁護士さんに却下されました。 ジャーナルのランキング 弁護士さんは、petition letterの特記事項として各分野の10位以内に入るジャーナルに掲載された論文を入れていました。それ以外の論文はUSCISにとっては高評価にならないとのことでした。 弁護士サポートに対する主人の感想と評価 主人は書類作成がすごく大変だったらしく、「弁護士の質は良いかもしれないけど大満足ではない」みたい。 お金をもっと払って書類の作成をもっと弁護士側がやってくれるなら、自分はそっちの弁護士の方がいい、というのが主人の感想。 petition letterを作成するために、弁護士からはいろいろな形でこちらの情報や返答が要求されました。主人が時間をかけて要求された書類に返答を書いたり修正したりして返すと、こちらの出した内容や表現がそのまままるっと定型フォーマットに入れ込まれた感じでpetition letterの下書きが返ってきました。 …