ペット(猫)と一緒にアメリカへ 〜動物検疫編〜

日本に一時帰国中、3ヶ月頃前から実家によく顔を出すようになった野良猫ちゃんを家族に迎えました!

wild cat

だいたい生後7ヶ月くらいの猫ちゃんで、すくすく成長中。雑種だとは思うのですが、手が大きめなので、メインクーンみたいになったらどうしよう・・・とちょっとドキドキしています。笑

完全な犬派だった私は、猫の可愛さを知るに連れてほぼ完全に猫派になりました笑

ちなみに

犬派:Dog person 猫派:Cat person

「あなたは犬派、猫派?」という会話はアメリカでもよく聞きます。
"Are you a dog person or a cat person?"
機会があったら使ってみてください♬

この記事では、猫をアメリカに連れて行く際の日本出国・アメリカ入国時の手続きや経験をまとめました。

アメリカへの入国条件

USDA-APHIS Bringing Cat into America

まず、アメリカへの猫の入国条件を調べました。

現時点でアメリカは、ペットの猫を入国させるために必要な条件は「健康ならOK」と、意外とゆるいです。「健康診断書」や「ワクチン接種証明書」等、提示が義務付けられている書類も特にありません。

(狂犬病ワクチンの接種もアメリカへの入国するためだけなら必要ありません)

但し、変更される可能性もあるので、USDA(アメリカの農林水産省のような組織)やCDC(アメリカの公衆衛生を管轄するような組織)のウェブサイトを随時確認。

また、国はOKでも州や市などで条件が変わる場合もあるそうです。

私たちの最終目的地、カリフォルニア州ロサンゼルス郡も猫を連れてくることに関しては上記USDAやCDCの対応に準拠するようなので、特別な準備は必要ありませんでした。

日本出国までの手続き

日本出国までに必要な手続きは、動物検疫所のホームページを参考にしました。

猫をアメリカに連れて行く場合の基本的な流れ(概要)はこちら↓

猫の輸出工程
試行錯誤したのですがどうしても文字がぼやけました。読みづらい場合は画像をクリックして PDFで見てみてください。

基本的に、1〜4は日本に帰国することを前提とした、日本に帰国するための準備、という感じなのかなと思いました。

それぞれの工程を補足します。

マイクロチップの装着

獣医さんにISO規格のマイクロチップを装着してもらいました。
(ISO: International Organization for Standardization、国際標準化機構)

(狂犬病ワクチンを接種する予定がある場合には、必ずワクチン接種の前に装着します。)

マイクロチップのパッケージのどこかに「11784 / 11785」という記載があったり、マイクロチップの番号が15桁であったりすれば、ISO規格のものと見ていいと思います。

獣医さんによってはマイクロチップの装着が必要な飼い主さんがいることが分かってから発注をかける場合もあるようなので、「ISO規格のもの」ということを予め伝えるといいかも。

この規格のものだと日本の空港の検疫官が持っている機械(「リーダー」と言うそう)でチップの情報を読み取ることができるそうです。

ISO規格以外のマイクロチップを装着させた場合

ISO規格ではないものを装着させた場合、検疫を受ける空港の検疫所に装着したマイクロチップの規格を伝え、それに対応するリーダーを検疫所が持っていればそれ以上の準備は必要ないですし、もし検疫所がリーダーを持っていないようであれば、飼い主側でリーダーを用意すれば大丈夫とのこと。

(AMAZONでちらっとみてみたところ、リーダーは¥6,000〜¥35,000ほどで購入できそうです)

他の規格のものもたくさんあるようですが、私たちは推奨されているISO規格のものを装着させました。

ちなみに、アメリカではISO規格のマイクロチップがまだ普及しきっていないそうなので、アメリカで狂犬病ワクチンを打つ際はISO規格のマイクロチップを扱っている獣医さんを探す予定です。もし見つからなければアメリカでリーダーを買おうと思います。

狂犬病ワクチンの接種

(私たちはまだ接種させていないのですが、備忘録として。)

2回以上の接種が求められています。

また、生ワクチンだと検疫上認められないようなので、接種するワクチンが不活化又は遺伝子組み換えワクチンであることを獣医さんに確認します。

また、1回目と2回目の接種の間は30日以上あける必要があります。

獣医さんによっては「じゃあ次回は2週間後に来てください」という方もいらっしゃると思いますが、それでは検疫所の要件を満たせないので、1回目の接種日を0日として、30日以上あけてから2回目を打ってもらいます。

私たちの場合、日本に帰国する予定が未定で、あと何年アメリカに滞在するか分からないので、狂犬病ワクチンの接種はアメリカで行うことにしました。

動物検疫所のホームページを読むと、一見「出国する条件として必ず狂犬病ワクチンの接種をしなければならない」のかなと思ったのですが、同ホームページの「犬、猫の旅行・短期滞在編」を読んでいて、狂犬病ワクチンの各種証明は日本に狂犬病を持ち込まないための対策なのかなと感じました。

自分では判断が難しかったので、お世話になる成田空港の動物検疫所の方にお尋ねしたところ、「帰国予定がしばらく無い場合には日本出国時の狂犬病ワクチンの接種は必要無い」ということを教えていただきました。

但し、日本に帰ってくるときには日本入国時の動物検疫で狂犬病に関する各種証明が必要なので、アメリカを出国する際には

・有効な狂犬病の予防接種の記録2回分以上
・狂犬病に対する抗体価の証明書
・抗体価検査用の採血日から180日間の待機期間

を出来る限りクリアしてくる必要があります。

万が一上記の条件を満たしていない場合、日本入国時の動物検疫所(かどこか)で追加検査や、180日以内の係留期間が必要になるそう。

できるだけスムーズに一緒に家に戻れるように、日本への帰国の目処が立ったら、それに合わせて猫ちゃんの帰国の準備もしていこうと思います。

ちなみに、

もし狂犬病ワクチンを猫に接種している獣医さんが周りにいない、という方がいらしたら、猫にも犬用の狂犬病ワクチンを打って大丈夫なようなので、かかりつけの獣医さんに相談してみるといいと思います。

狂犬病抗体価検査

抗体検査証明書兼申請書

2回目の狂犬病ワクチン接種が終わったら、獣医さんに採血してもらった猫ちゃんの血液サンプルと「狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)」を一般財団法人生物科学安全研究所に送り、狂犬病の抗体価を測定してもらいます。

証明書(兼申請書)には獣医さんの記入欄もあるので、研究所に送る前に記入してもらいます。

採血日は、動物検疫所としては2回目の狂犬病ワクチン接種日と同日でも可のようですが、研究所は2回目の狂犬病ワクチン接種後7〜14日頃の採血を適期としています。

検査後、2週間ほどで結果の記載された証明書が返送されるみたいですね。

返送された「狂犬病抗体検査証明書」は採血日から2年間有効です。日本への帰国が採血日から2年を過ぎてしまう場合には改めて抗体価検査をし、0.5IU/ml以上の抗体価があれば、帰国前の待機期間(180日間)が免除されるようです。但し、その間も狂犬病ワクチンの有効免疫期間を絶やさないよう継続して接種する必要があります。

輸出申請

動物検疫所NACCS利用申請

日本出国の7日前までに郵送またはオンラインで動物検疫所に輸出申請をします。

個人的にはオンライン申請が便利だと思っています。

上記のリンクから、利用申込みをし、マイページにログインします。

輸出申請プルダウン

「犬、猫、きつね、あらいぐま、スカンク」の右にあるボタンを押してメニューを表示したら、

新規輸出申請

「新規に輸出検査申請を行う」をクリックして

動物検疫申請画面

ペットの情報を入力していきます。

申請の翌日、お世話になる動物検疫所の方から出国当日の検疫の時間などの案内がメールで届きました。予め確認しておくために、当日提示する各種書類をメール添付で事前に送って欲しいという指示もありました。

追記:このオンライン申請フォームの中に、「その他添付書類」のような欄があり、そこに予防接種証明書やマイクロチップ装着証明書等をアップロードすることができます。初回申請時はここにアップロードしなかったので検疫官の方から上記のようにメール添付の指示がありましたが、予めオンラインでアップロードしておくと後日メール添付ということは必要ないみたいです。

輸出検査

私たちはまだ出国が先なので輸出検査を受けていないのですが、実際に渡米する際には輸出検査が必ず必要になります。

私たちが案内された検査日時は、だいたい出国当日の搭乗時刻の3時間半前頃でした。予約時間頃に検疫所に向かい、検疫官の方たちに検査をしてもらいます。

その際、必要な書類(狂犬病の各種証明書、マイクロチップ装着証明書、健康診断書等)を提示します。

検査が終わると英文の「輸出検疫証明書」とそのコピーが発行され、恐らくこの証明書を渡航先の空港で動物検疫時に提出するのかなと思います。

また、このときもらう「輸出検疫証明書」のコピーは日本に帰国する際にも提示が必要になるようなので、紛失しないように大切に保管する必要があります。

アメリカ入国時の検査 (追記)

先月末、なんとか別室入国検査を切り抜け、LAXで無事に猫を受け取りました。アテンドしてくれていた航空会社の方が、「そのまま税関の方へ行って大丈夫」と言ってくれたので、入国時の動物検疫のことをすっかり忘れ、がらっがらのLAXの税関まで行くと誰もいない・・笑 税関申告書の提出も頭から抜けていて、そのまま到着ロビーまで行きそうになったところでようやくOfficerが現れ、「その猫の証明書が必要だ!」と言って私のカートを止めました。

動物検疫証明書

あぁ、検疫忘れてた、と成田空港で輸出検疫後にもらった「Certificate」を見せると、さっと確認後「Okay」と言って終わりでした笑 え、獣医さんのチェックは?笑

コロナの影響でほんとにLAXもがらがら。そして適当。

本来だったら動物検疫所に立ち寄るべきなんだろうけど、今回は上記の超簡単な書類のチェックのみでした。

また、Original(原本)は提出するかを聞いたところ、必要ないとのことで、Originalは手元に残りました。このOriginalは手元に残る場合は日本に帰国時に輸入検疫で必要になるようなので、大切に保管しておきます。

ペットを機内に連れて行ける航空会社もある

布団で寝ている猫

私たちはANAで渡米するので猫を機内に一緒には連れて行けませんが、デルタ航空など外国の航空会社では機内に一緒に連れて行ける航空会社もあるようです。今回はチケット購入時に猫を連れて行く予定がなかったので、そのままANAで渡航しますが、次回からは機内に一緒に連れて行ける航空会社にしようと思います。

十数時間ひとりでわけのわからないところで過ごさなきゃいけない猫のことを考えるととてもかわいそうですよね・・・日系の航空会社でも機内に連れて行けるようになる日が早く来ると嬉しいですね!

航空会社に猫を預けるために購入したケージや餌・水の入れ物、航空会社へのペット預入の手続きについてはまた後日まとめます。

我が家の天使ちゃんがアメリカでも健やかに過ごしてくれますように。

追記
我が家の猫ちゃんは、出発当日家を出てから空港までの車の中、膝の上で抱っこしていてもがたがた震えちゃったり鳴いたりとすごく緊張し怖がっていました。無事にLAXで受け取ったとき、餌も水も全然減っておらず、相当怖かったんだろうと思います。LAXで再会するとようやく餌入れのごはんを食べ始めました。また、ケース内でトイレをしてしまうだろうと覚悟していたのですが、トイレの形跡もなく、ほんとに緊張しっぱなしだったみたいです。頑張らせてごめんね(T^T)到着から2週間たった今はいたずらっこに戻り、時差ぼけも少しずつなくなり、元気に過ごしています。本当によく頑張りました。

航空会社へのペット情報の登録や、渡航に合わせて購入したものをこちらの記事にまとめてみました。ご参考までに*

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