永住権申請に際しJビザの2年間帰国義務(以下「2年ルール」)を免除してもらう申請が必要になったので、そのことについてのメモになります。
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自分は2年ルール適用されているかどうか
同じJビザを持っていても、この「2年ルール」が適用される人とされない人がいます。
おおざっぱに言うと、日本またはアメリカ政府から留学資金を少しでももらった場合、この2年ルールの対象になるようです。その場合、Jビザのプログラムが終わったら自国に2年間戻らないと他のアメリカのビザや永住権などの申請ができません。
Jビザの「Annotation」のセクションに
BEARER IS SUBJECT TO 212(E). TWO YEAR RULE DOES APPLY.
の記載がある場合、2年ルールが適用されています。
この記載がない場合でも、念のためビザのスポンサー(大学や研究機関など)に本当に2年ルールが適用されていないか確認・相談するのが無難です。
さらに、留学費用・奨学金にアメリカ政府の出資が絡んでいる場合(フルブライト奨学生など)は、この2年ルール免除申請は通らないようです。
主人の場合は最初の1年間だけ日本政府から支援を受けていたので、今はアメリカでフルで雇用されていても2年ルール適用でした。
この場合(そして多くの研究者の方の場合)、「Jビザのプログラムが終わっても自国に帰ってこないことに異論はありません」という日本政府からの書類(No Objection Statement)をもらうことで2年ルール免除申請をすることになります。
2年ルール免除申請のおおまかな流れ
- アメリカ国務省ウェブページにてに2年ルール免除申請書類を作成
- 1で作成した書類をプリントアウトしてアメリカ国務省に郵送
- 日本大使館に2年ルール免除のためのNo Objection Statement (NOS)の作成依頼を郵送
- 日本大使館がアメリカ国務省にNOSを送付
- アメリカ国務省がアメリカ移民局へ2年ルール免除推薦書を送付
- アメリカ移民局が2年ルール免除するかどうか最終判断
- 最終結果が移民局から送られてくる
私の理解が正しければ、こんな流れになるはず。そして私たちは現在ステップ4が終わり、アメリカ国務省や移民局の判断や結果送付を待っているところ。
所要時間についてよくウェブで見るのは、2年ルール免除の理由が「NOS」の場合「だいたい申請してから2ヶ月くらい」。ただ、は1年、1年半かかったっていうケースもちらほら見当たるので、どのくらい時間がかかるのかは運なのかも。できれば2ヶ月くらいで結果が欲しいところ。
1〜3のステップについて、もう少し詳しくメモしておきます。少し長くなるので、この記事ではステップ1と2について。
アメリカ国務省への2年ルール免除申請書の作成
まずは https://j1visawaiverrecommendation.state.gov/ の「Complete an Online Application」にて個人情報やビザ、今までのDS2019、2年ルール免除を希望する理由などをぽちぽち入力してきます。この書類はDS-3035と呼ばれているようです。
1回書類の作成を始めると90分間で書類作成を完成させなきゃいけないのと、セーブボタンが見当たらないので、「2年ルールを免除を希望する理由」は予め内容を考えておくといいかも。
その他は、
- J-1ビザの今までの全てのDS2019
- 初めてJ-1ビザで入国したときの入国スタンプ(空港での入国審査で押される青いスタンプ。なければ、最初にJ-1ビザで入国したとき、どこの空港を使ったかが分かればとりあえずはOK)
- 直近のI-94の番号(Admission Record Number)
があれば基本的に大丈夫そう。J-2ビザがいる場合はJ-2ビザ全員の基本情報(名前や生年月日など)も。I-94の情報が手元にない場合は https://i94.cbp.dhs.gov/I94/#/home の「GET MOST RECENT I-94」からパスポート番号で直近のI-94の情報を検索できます。
Basis Selection
申請書の中には「Basis Selection」というセクションがあります。こちらは「なぜ申請者が2年ルール免除の対象になるのか」という理由を選ぶもの。
NOSで申請する場合「No Objection statement from the home government」を選びます。
2年ルール免除を希望する理由
「STATEMENT OF REASON」のセクションでは、2年ルール免除を希望する理由を述べます。
字数制限はありません。いろんな英語サイトによると、かなりシンプルで2〜3文あれば充分らしいです。
例えば仕事のオファーをもらったからという理由だとしたら、
XYZ University has offered me a position as a Research Associate and I would like to take advantage of the opportunity to further my career.
みたいな感じ。
主人の場合も上のような感じの理由で2文で提出。
J-2ビザのJ-1ビザとの間柄
J-2ビザがいる場合は名前、生年月日、生まれた国、J-1ビザとの間柄を入力、または選択する箇所がありました。
そのうち、J-1ビザとの間柄について「Spouse」と「Wife」どちらにすれば良いのかわかりませんでした。多分どちらでもいいんだろう・・と思うのですが、とりあえず「Spouse」にして提出。
多分「Wife」でも問題ないと思います。
wife、husbandだと性別を暗示した配偶者扱いになってしまうから、性別関係なく「配偶者」という意味になるspouseの選択肢も出してるのかな・・?最初からspouse一択にしてくれた方がわかりやすいのに・・と思うのは私だけではないはず。。
J-2ビザのSurnameとGiven name
私たちが書類作成した時点では、J-2ビザのSurnameとGiven nameが書類作成のための入力時と、最後の確認画面にでくる時とで逆になっていました。(システムのエラーだと思います)
確認画面には「この確認画面に出てきてる情報が全て正しいことを確認しました」みたいな文言のとこにチェックを入れて次の画面に進めるので、迷ったあげくJ-2ビザ情報の入力画面のとこでSurnameに名前、Given nameに苗字を入れ、確認画面が正しい情報になるようにしました。
つまり、確認画面上にはSurnameに苗字、Given nameに名前が表示されている状態です。
この情報が正しい、というボックスにチェックマークを入れて次の画面にいきました。
するとなんということでしょう!!
最終書類を見ると Surnameに名前、Given nameに苗字が表示されているではないですか!!
修正しようにも「確認画面」に出てくるのは姓名逆になった名前になるから、それを「この表示内容の情報が正しいと確認しました」とチェックしたくなかったので、とりあえず担当部署の連絡先(212ewaiver@state.gov)に上記の状況と訂正依頼を連絡したのと、正しい順番で私の名前が表記されている「確認画面」のコピーを郵送書類に入れて書類を提出しておきました。
多分これで問題なく手続きしてくれると思うのだけど、何か進展があったらまたこちらに追記しておきます。
Jビザで最初に使った空港の名前
「Date and place of first entry into the U.S. on your original exchange visitor (J-1) visa」という質問がどこかにあると思うのですが、これは初めてJビザを使ったときにどの空港からアメリカに入国したかを空港コードで答えます。
これは入国審査のときに審査官が押してくれる青いスタンプを見るか、I-94で履歴を遡るかするとわかります。
ロサンゼルス国際空港の場合は「LAX」なので、これを入力しました。
Alien Registration "A" Number (該当者のみ)
I-140がapproveされている場合、Approval NoticeのBeneficiaryの欄にAと9桁の数字が並んだ「A number」と呼ばれるIDが付与されます。
2年ルール申請書類の最後の方にはこのA numberを入力するところがあったので入れてみたところ、「A numberはAと8桁の数字です」という旨のエラーが出てきて入力できませんでした。
この入力はオプションだし、他にどうしようもないのでとりあえず空欄で出しました。
書類の郵送
書類の入力・確認が完了したら、最終画面にて「case number」が表示されるのと、「Display Packet」という緑のボタンが出てきます。
こちらの「Display Packet」というボタンを押して申請書類を全てプリントアウトします。
印刷された書類の中には「J-1 VISA WAIVER RECOMMENDATION APPLICATION INSTRUCTIONS」と「Packet Assembly Checklist」という郵送についての指示書みたいなものがあるので、それを見ながら下記の書類をアメリカ国務省に送りました。
- 上記で作成したDS-3035の書類(「Packet Assembly Checklist」に書かれているものを順番通りに)
- 申請料$120の小切手
- J-1の今までのDS-2019のコピー全て(J-2のは不要)
- J-1の現在のパスポートの写真ページのコピー
- 切手を貼った返信用封筒2通(*)
返信用封筒については「Packet Assembly Checklist」には「1通」、「J-1 VISA WAIVER RECOMMENDATION APPLICATION INSTRUCTIONS」には「2通」と記載されていてどっちかわからず。なので一応2通入れておきました。
(USPSのレターサイズくらいの大きさの封筒にFirst Classのレターサイズ用の切手を貼りました。)
「Packet Assembly Checklist」によると、「Third Party Barcode Page」は自国の大使館に送るよう指示があるので、「THIRD PARTY BARCODE PAGE」というタイトルのページは日本大使館宛に送る書類と一緒に送りました。
上記の書類をUSPSのPriority mailにて発送。週末を入れて3日で相手に届きました。
2年ルール免除申請の手続きを優先的にやってもらえるか?
結論から言うと、NOSで2年ルール免除申請をする場合、優先手続きはしてもらえなさそうです。
アメリカ国務省の2年ルール免除申請についてのFAQが載っているページ(https://travel.state.gov/content/travel/en/us-visas/study/exchange/waiver-of-the-exchange-visitor/exchange-waiver-faqs.html)の最後に「Expedited Processing」についての記載があり、だめもとで 212ewaiver@state.gov に優先手続きを希望する旨を連絡しました。
EB2-NIWの1時審査(I-140)に通ってるから「clear and significant U.S. government interest」にひっかけてくれないかな、と ( -ω- )
理由としてあげたのが、
- NIWのI-140がapprovedされていて、2年ルールが免除されない限り次のI-485が出せないこと(急いでるんですアピール)
- I-485が出せない限り国外の学会に参加できず、大変不便なこと(アメリカの業績になるのにアピール)
こちらについてのお返事は、NIWも国外に出れないこともExpedited Processingの対象にはなりませんとのことでした ( -ω- ) はは
ちなみに 212ewaiver@state.gov に何か自分の書類や手続きについて連絡する場合、書類が向こうの手元に届いた後でないと何もできないそうなので、もし連絡を取る場合は書類を全て郵送してからがいいかも。
以上がアメリカ国務省宛に送る書類についてのまとめです。
日本大使館宛に送った書類についてはこちらから。