【アメリカ永住権】Priority Date (PD) とは

アメリカの永住権(以下グリーンカード)を申請すると必ず聞くことになる「Priority Date (PD)」とか「PDがCurrentになったら〜」という表現。結構最近までいまいちこの意味がわからなかったのですが、やっとすっきりしたのでメモを残しておきます。

書類受領日としての「Priority Date

まずはじめに、「書類受領日」としての「Priority Date」。

USCISにグリーンカード関連の書類を提出すると、この書類が受領された日が「Priority Date (以下PD)」としてUSCISに登録されます。

例えば私たちの場合だと、2022年4月にI-140というグリーンカード申請書を提出し、USCISに受領されたので、2022年4月XX日があなたのPDです、と通知されました。このPDはI-140のReceipt Noticeに書かれています。

まあようは、I-140とかのグリーンカード申請書類を提出した人順に優先順位がありますよ〜という理解でいいのかもしれません。

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グリーンカードの発行枠としての「Priority Date

続いて、このPDをどう使うのか、というところ。

グリーンカードはアメリカの会計年度(10月始まり、9月締め)で何件まで承認できるか、という数が決まっているそう。

その発行制限数と実際のグリーンカード応募者数に応じて、いつまでにI-140(または同等の書類)を提出した人たちのI-485を審査対象に含めるかが決められるみたいで、その「いつ」という日付一覧が記載されたものが「Visa Bulletin」という掲示板。

これはアメリカの国務省 Department of State (DOS) が毎月公表しているもので、今回の会計年度で発行できる残りのグリーンカードの数と実際にUSCISが受け取った申請書類の数を比べて、あとどのくらい申請書類を受け付けて大丈夫かを考慮した日付になっているみたい。

Final Action DatesとDates For Filing

Visa Bulletinには「Final Action Dates」と「Dates For Filing」という2種類の日付が申請カテゴリーごとに表示されています。

それぞれの日付の私の理解は、

  • Final Action Dates: USCISがこの日付よりも前のPDを持ってる人たちの書類を処理し終わりました、または、処理する予定です、という日付。参照日がFinal Action Datesの場合、この日付よりも前のPDを持ってる人は書類を提出していいですよ
  • Dates For Filing: 参照日がDates For Filingの場合、この日付よりも前のPDを持ってる人たちは書類を提出していいですよ

という意味の日付のようです。

こちら(↓)は2023年3月のVisa BulletinにあるEmployment basedでI-485を提出する人用のDates For Filingの日付一覧。

2023年3月のVisa Bulletinより「B. DATES FOR FILING OF EMPLOYMENT-BASED VISA APPLICATIONS」の表を抜粋。

どちらの日付を参照するべきかは USCISのAdjustment of Status Filing Charts from the Visa Bulletinに指示があって、書類を提出するときはその日付と自分のPDを見比べる必要があります。ちなみに「C」という表記は「Current」の略で、どのPDの人も出して良いですよという意味のよう。

最近知ったのですが、これらの日付には 「この日付よりも前のPDを持っている人はI-485の審査対象です、審査を開始します」という意味もあるみたいです。

PD Current


仮にこの日付たちを「参照日」とここでは呼ばせてもらうとして、この「参照日」が自分のPDよりも後の状態、つまり自分のPDと「参照日」を比べたときに、自分のPDの方が過去の日付の場合を「PD Current」と呼ぶそう。

Retrogressionとは

このVisa Bulletinに載っている日付は過去に遡ることもあるみたいで、そのことを「Retrogression」と呼ぶらしい。

これは、書類提出するときはPD Currentだったのに、「参照日」が過去に遡ったためにPDがCurrentじゃなくなった、という状態で、つまりは書類の審査対象から一時的に外されてしまう状態です。

このRetrogressionが起こると、書類は提出できたのに審査の順番が全然回ってこない・・・という状態が続くことも。

私たちもその一例です(まだ提出歴短いけど)。

まず、私たちのPDは2022年4月某日。

2023年3月にI-485の書類提出準備が整ったので、2023年3月のVisa Bulletinを参照(上に載せた表がそれです)。

3月は「Dates for Filing」を参照するようにとのことだったので、私たちのカテゴリEB2のDates for Filing(All Chargeability Areas Except Those Listed)を見ると「01DEC22」。

私たちのPD(2022年4月某日)は2022年12月1日よりも過去なので、私たちはI-485を提出してOKということ(PD Current)。

PD CurrentでI-485提出できたから、もうとんとん進んですぐに審査も終わるのかなー!?と思いきや、

2023年4月提出分からはFinal Action Datesが「参照日」になり、4月は2022年7月1日、5月から7月は2022年2月15日、とどんどん後退、8月は2022年4月1日に前進するも、私たちのPDが含まれない状態が続いており、知らないあいだに審査対象外になっていました・・

この「参照日」がPDよりも後にならないと書類の審査は再開されないので、それまではグリーンカードが手に入ることはありません。

会計年度中のグリーンカードの発行数に限りがあるので、この状態は会計年度末によく起こりうるらしいのですが、今年度は特に申請者が多かったのか、早い段階からこんな状態だったよう。

でも会計年度始まりの10月にはまたビザ発行可能数が回復するので、10月からはまた審査対象のPDがぐーんと増えるはず。私たちの番もきっともうすぐなのでは・・!

RetrogressionでPD Currentではなくなった場合のI-765やI-131の審査

RetrogressionでPDがCurrentじゃなくなった場合、I-765やI-131の審査はどうなるんだろう?

この質問は私自身気になったことで、USCISに問い合わせました。

結論、RetrogressionはI-485の審査に関わるものなので、就労許可(I-765, 別名称「EAD」)やI-131(AP, Advance Parole)の審査はPDがCurrentじゃなくなっても継続して行われるとのこと。

実際、私のEADとAPのコンボカードは私のPDがCurrentの状態にないときに無事に承認され、手元に届きました。(とは言っても、EADの更新はI-485の申請ベースだと普段の更新よりも長い時間がかかるみたいで、Expedite Processの申請をしました。そのことはまた別の記事にて・・)

以上がPriority Dateについての私の理解でした。参考になれば幸いです!

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